続・おせちのサイズ<br>(実際の表記)

今回は、業者ならではの細かい話となります。

(注)以下「おせち料理」→料理、「重箱」→容器の事です

 

おせち料理を販売する際、「7寸2段」など尺貫法で表記して販売されている場合でも、実は細かいサイズは各社バラバラです。

手元に重箱のカタログが数社ありますが、「7寸」と表記して販売されている重箱のサイズを見てみると、一辺が内寸183~219ミリ(6.1寸~7.3寸)と実に様々な重箱があり、それぞれのメーカーが独自の基準で作っていることが分かります。メーカー側は「うちは外寸で7寸近いサイズだよ(実際は6.4寸程度だが)」と言ってみたり、手前勝手な解釈が通用している世界です。

 

よく聞かれる質問があります。

「うちで使ってる7寸重に、おたくの7寸用カップを使いたい」

結論は、ほとんどの場合NGです。サイズが合わないのは、上記の理由からです。

 

そして、当店で販売している立花重は、1寸=30ミリとして、きちんとしたサイズで設計しております。

・立花重7寸→ 内寸210ミリ

・立花重6.5寸→ 内寸195ミリ

当店の立花重7寸でおせちを作られた方は、自信をもって「7寸だ」と言っていただいて大丈夫ですし、なんなら立花重6.5寸を「7寸だ」と言ってもらっても差し支えありません。だって外寸で6.9寸ありますし、今のところそういう業界ですから。

しかしながら、ここで言いたいのはそういう事ではなく、

皆様のおせち料理を尺貫法で表記・販売されている場合は、ミリでのサイズを併記される事をおすすめします

という事です。

百貨店などきちんとした販売元は全てミリ表記で統一されており、ユーザーはけっこう比較をされています。飲食事業者の方から「うちのお客さんは百貨店では買わないから」と聞くことがありますが、「百貨店と比較しても喜んでもらえる」という発想も大切かと思います。実際、購入されたユーザーは、家族の横やりで比較せざるを得ない場合もあるんです。自信をもって説明できるからこそ、しっかりした表記がメリットになり得ます。サイズは立花重のページに正確な数値を載せていますので、転用するだけです。外寸を書いた方がいい。ほとんどのおせち料理は外寸で表記されています。

細かいことですが、ユーザーはミリ表記を見ています。見かけた広告で「よくこれで7寸おせちって書けるなぁ…」と感じることがあるのも事実。尺貫法はごまかしやすいんです。既にチラシを作っていたり、外注でウェブに乗せているなど、間に合わない方は来年からでも構いませんので、ミリ表記をお勧めいたします。

テイクアウト文化に強制突入した世の中に対し、おせち料理は一つの回答です。「うちは全て手作りだから…」は最高のメリットです。しかしそういう方ほど、他社がミリ表記で一般化している事に気付かれていません。7寸8寸とは既に、業者間のやりとりにのみ使う表現です。

食べて満足はもちろん、「比べて満足」の一助になれば…、と思うのですが、いかがでしょうか。

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